建設業の許可を申請したいが、定款を紛失したようで見つからない

会社が建設業の許可を新規に取ろうとする場合、申請書の添付書類として定款の写しを提出しなければならないのですが、時折「定款を紛失した」「探したけれども見つからない」というご相談を受けることがあります。

家族経営や従業員が少ない会社で、設立してから大分年数が経っているなどすれば、しばしば書類の所在が分からなくなるのも無理からぬ話かと思います。

実際、定款が見つからないというときに、何かとり得る方法はあるのでしょうか。

定款の保管方法は

建設業許可の申請時に出すのは、現行定款の写しです。

現行定款の内容は、原始定款にその後定款変更した際の株主総会議事録を加えたものですので、これらをきちんと保管しておくのが大切です。

実務上は、原始定款をワードなどで打ち込んだデータを一つ用意し、変更したら修正して最新の状態を保っておき、必要な場合には印刷して原本証明する、というのが便利かと思います。

定款を紛失し、見つからない場合には

以下に書くほかにも考え得る方法はありますが、いくつか挙げてみます。

公証役場で謄本の再交付を請求してみる

会社を設立したときに定款を認証した公証役場がどこだったかを記憶していれば、その公証役場で原始定款の謄本の再交付を請求できます。

ただし公証役場での定款の保存期間は20年なので、これを超える場合には基本的に難しいです。

また、取得できるのは当然ながら原始定款なので、その後の株主総会議事録が残っていないと定款変更の履歴は分かりません。

先日は実際にこの方法で定款を取得しました。手数料は用紙1枚につき250円です。

代理人が申請するには、会社の実印を押した委任状、会社の印鑑証明書・謄本、代理人の本人確認書類を準備して、窓口に出向きます。

依頼した専門家に問い合わせてみる

誰に頼んだかを覚えているなら、会社の設立を依頼した専門家に問い合わせるのも一つの方法です。

電子定款であれば、同一情報の請求をすることにより謄本を取得できますし、そうでない場合であっても専門家が何らかの資料を保管しているかも知れません。

どうしようもなければ定款を再作成する

色々試してどうにもならなかったら、定款を再作成することになります。

法務局で会社の履歴事項全部証明書を取って参考にしながら作っていきます。

お困りの際にはお気軽にご相談ください。